派遣社員は妊娠したら契約終了になる?違法性・契約更新の仕組み・守られる権利
2025年10月30日公開
目次
「妊娠したら派遣先から契約終了と言われた…」
「派遣社員は妊娠すると続けられないの?」
「法律的にどういう扱いなのか知りたい」
こうした不安は、妊娠した派遣社員の多くが抱える悩みです。
しかし結論から言うと、妊娠を理由に契約終了・更新拒否をすることは法律で禁じられており、派遣社員にも納得いく選択肢があるというのが正確な答えです。
この記事では、派遣社員が妊娠したときに直面しやすい問題、契約終了の法律的扱い、契約更新の可否、派遣元・派遣先の義務、産休育休の取得要件、トラブル時の対処法まで、検索意図を完全に網羅して解説します。
妊娠は喜ばしいことです。
不安なく働き続けるために、正しい知識を持つことが第一歩になります。
派遣社員は妊娠したら「契約終了」と言われやすい現実
実際、派遣社員が妊娠を報告した後に、以下のトラブルが起こるケースは非常に多いです。
- 「業務に支障が出るので契約終了にしたい」と言われる
- 「更新できない」と急に告げられる
- 重い作業を免除してもらえない
- 職場の雰囲気が悪くなる
- 派遣元と派遣先の板挟みになる
- つわりで休むと評価が下がる
ですが、ここで重要なのは、妊娠を理由に不利益取り扱いをすることは完全に違法であるということです。
妊娠を理由にした契約終了・更新拒否は違法【法的根拠】
以下の法律で、企業は妊娠を理由に不利益取り扱いをすることが禁じられています。
- 男女雇用機会均等法 第9条
- 労働基準法 第65条(産前産後の保護)
- 育児・介護休業法
これらによって企業は、妊娠した女性に対して以下の扱いをしてはいけません。
- 契約更新を拒否する
- 契約途中で打ち切る
- 配置転換・減給・降格する
- 妊娠を理由に仕事内容を変える
- 退職を促す
つまり、妊娠しただけで「契約終了」と言われた場合、それは明確な違法行為の可能性が高いということです。
では実際、妊娠しても契約は更新されるの?
ここが最も誤解が多い部分です。
法律では「妊娠を理由とした不利益扱い」だけ禁止しています。
逆に言うと、契約満了は雇用関係の自然終了であり、企業には更新義務がありません。
つまり、以下のように判断されます。
- 妊娠だけを理由に更新拒否 → 違法
- 契約満了により更新しない(妊娠と無関係の理由) → 合法
この区別が重要です。
表向き合法でも「実質的に妊娠が理由」なら違法
企業はよく“建前”として以下を言います。
- 「人員調整で更新できません」
- 「業務縮小で枠がありません」
- 「他のスキルの方に変えます」
しかし、妊娠報告の直後にこれらが起きた場合、
厚生労働省は「間接差別」「不利益取り扱い」に該当する可能性が高いと判断します。
実質上の妊娠差別は違法です。
派遣社員の妊娠は「派遣元」への報告が最優先
妊娠したときに報告すべき順番は以下です。
- 派遣元(自分の雇用主)
- その後に派遣先
派遣社員の雇用主は派遣元であり、派遣先ではありません。
そのため、派遣先へ先に報告するとトラブルが起きやすくなります。
派遣元に伝えること
- 妊娠したこと
- 医師の診断内容(必要なら)
- つわりの状況・業務の配慮が必要か
- 他の部署・他の仕事への異動希望はあるか
- 産休・育休の意向
派遣元は労務管理を行う義務があり、
派遣先への調整や勤務内容の変更提案も派遣元の役割です。
派遣社員でも産休・育休は取得できる【条件あり】
意外と知られていませんが、派遣社員も産休・育休を取得できます。
産休(産前産後休業)は全員が取得可能
雇用形態に関係なく、正社員でも派遣でもパートでも関係ありません。
育休を取得できる条件
- 同じ派遣元との雇用契約が “育休取得時点で” 続いている
- 子どもが1歳になるまで雇用契約がある見込みがある
ポイントは「派遣先」ではなく「派遣元」が契約を継続しているかどうかです。
妊娠中に仕事を続けたい時の選択肢
1. 派遣先で働き続ける
妊娠中も業務ができる場合は、そのまま働き続けることも可能です。
2. 軽作業・座り仕事に切り替えてもらう
派遣元経由で、以下のような配慮を依頼できます。
- 立ち仕事 → 座り仕事
- 重量物作業からの免除
- 休憩時間の柔軟化
- 勤務時間短縮の相談
3. 他部署・他派遣先へ異動する
つわりが重い、勤務条件を変えたい場合は、派遣元が他の派遣先を紹介してくれるケースもあります。
4. 派遣元で産休育休後に復帰する
派遣元が雇用を継続していれば、産後に別の派遣先へ復帰することも可能です。
妊娠を理由に不利益扱いを受けた時の対処法【実践的】
1. 言動をすべて記録する
違法性を証明するために以下を記録します。
- 日時
- 相手の名前
- 言われた内容のメモ
- メール・チャットのスクショ
2. 派遣元の担当者へ報告
派遣元には法的責任があり、状況改善に動く義務があります。
3. 派遣元の管理部門(労務)にも相談
担当営業が頼りない時は、労務管理担当に直接相談しましょう。
4. 派遣先の総務や人事へ正式に申し入れ
派遣元と協力して対応してもらう形になります。
5. 厚生労働省の「都道府県労働局」へ相談
妊娠・出産の不利益取り扱いは、行政指導の対象です。
- 雇用環境均等室
- 労働基準監督署
無料で相談でき、会社への是正指導が行われるケースもあります。
6. 必要なら弁護士に相談
ハラスメントが深刻な場合は、弁護士に相談することも有効。
派遣先が「妊娠したなら来なくていい」と言った場合
これは完全に違法です。
- 妊娠=休職対象ではない
- 休めと言うのも不利益扱い
- 出勤禁止は違法な業務停止(パワハラ)
必ず派遣元に連絡し、状況を共有してください。
妊娠中の派遣社員が働きやすくなるコツ
1. 無理な仕事は早めに相談する
遠慮せず、派遣元へすぐ相談しましょう。
2. 体調変化を正直に伝える
つわり、立ちくらみ、疲労など、隠す必要はありません。
3. 医師の指示書をもらう
「負担作業不可」などの診断書があれば職場が改善しやすくなります。
4. 産休育休の制度を事前に理解しておく
仕組みを理解して動けば、雇用を継続しやすくなります。
5. 仕事を続ける期間と辞めるタイミングを明確にする
産前休業は出産予定日の6週間前から取得できます。
その前のタイミングで契約満了なら、更新するかを冷静に判断できます。
派遣社員が妊娠した時の「よくあるQ&A」
Q1. 妊娠しても黙って働き続けていい?
つわりが軽い場合は可能ですが、体調不良や安全性を考え、派遣元へ早めに相談を。
Q2. 妊娠を理由に退職を迫られた場合は?
違法であり、行政に相談すれば改善されるケースが多いです。
Q3. 妊娠を隠して契約更新しても問題ある?
法律上は問題ありませんが、安全性に影響する仕事なら危険です。
Q4. 育休後に同じ派遣先に戻れる?
派遣先次第ですが、戻れない場合でも派遣元が別の仕事を紹介してくれることがあります。
Q5. 産後すぐ働きたい場合は?
産後8週間は原則働けません(労基法)。それ以降は本人の希望で可能。
派遣社員でも妊娠・出産を安心して迎えられる
派遣だから妊娠できない、続けられないというのは誤りです。
大事なのは、以下のポイントを押さえることです。
- 妊娠を理由にした契約終了は違法
- 派遣元があなたの雇用主であり、相談窓口
- 産休・育休は派遣社員でも取れる
- 契約更新は妊娠と関係なく判断されるべき
- トラブル時は労働局が強い味方
妊娠は人生の大切な局面です。
不安を抱えたまま働く必要はありません。
正しい知識を持ち、無理のない働き方を選びながら、安心して出産・育児を迎えてください。


