自動車組み立て工場の実態!組み立て過程から工場で働くメリットまで紹介
2022年11月03日公開

目次
自動車組み立ての求人に興味があっても、詳細がわからず応募にためらってしまっている人もいるのではないでしょうか。
快適な職場を探して長く働くためには、どのような仕事か情報を得てから応募することが大切です。
そこで今回は、自動車組み立て工場での組み立ての仕事について詳しく解説します。
仕事内容や組み立て工程のほか、自動車組み立て工場で働く大変さとメリットも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
自動車組み立て工場での仕事の特徴
まずは、自動車組み立て工場での働き方の基本から解説していきます。
働くうえで欠かせない大切な情報となるため、自分にとって適職かどうかを判断する参考にしてくださいね。
仕事内容
自動車の製造過程は、大きく3つに分けられます。
・開発(企画、デザイン、設計、生産性の検討など)
・生産準備(工程計画、設備製造など)
・生産(実際に自動車を製造する工程)
自動車の組み立てとは、生産工程のことです。
具体的には、自動車のボディにそれぞれの部品を組み込んで自動車を完成させます。
自動車の部品はネジなど細かいパーツを含めると、約4,000種類、数にすると約30,000個にものぼります。
そのため、自動車の組み立ては、膨大な部品を取り付ける仕事です。
組み立て作業は自動車のパーツによって分けられ、扱う部品によって担当する人数も変わります。
1人で担当する仕事もありますが、10人以上でチームを組む場合もあり、さまざまです。
また、車種や工場によっても仕事内容は変わります。
コンベアで移動する自動車に流れ作業で部品を取り付ける単純な作業から、搬送ユニットに乗り込んで部品を取り付ける複雑な仕事までさまざまです。
主なシフト
自動車工場は24時間稼働が基本のシフト制で、二交替制あるいは三交替制がほとんどです。
二交替制は、24時間を2つのシフトに分けたもの。
たとえば9時〜21時と21時〜9時など、日勤と夜勤の時間帯で分けられるケースが多いです。
拘束時間は12時間前後と長いですが、その間に休憩などリフレッシュの時間が設けられ、勤務日数などの調整によって労働基準法に則って労働環境は守られています。
なお、二交替制では12時間でシフトを区切っていても、休憩時間の調整などで実質8時間労働とする場合と、休憩時間は1〜2時間程度で実働時間が10〜11時間程度になる場合があります。
労働時間が8時間を超えた分は残業扱いです。
三交替制は、24時間を3つのシフトに分けたものです。
たとえば9時〜17時、17時〜0時、0時〜8時と1シフトの労働時間は8時間前後になります。
8時間で次のシフトのメンバーが来るため、残業が少ない工場が多いでしょう。
なお、二交替制も三交替制も、22時から翌5時までは労働基準法に則って深夜手当が支給されます。
平均年収・時給・給料
自動車の組み立ての収入は、雇用形態や就職先によって変わります。
雇用形態は正社員、派遣社員、そして定められた期間契約社員として働く期間工がほとんどです。
平均的な収入(額面)の相場は以下のとおり。
・正社員:年収400万円~700万円程度
・期間工:年収400万円~450万円程度
・派遣社員:時給2,000円前後のスタートが多い(時給2,000円1日8時間/22日稼働の場合、日勤のみで352,000円、同条件夜勤のみで44万円の月収が得られる)
入社間もない正社員の年収は、期間工や派遣社員とあまり変わりません。
しかし、正社員は勤続年数が長くなるにつれて年収も上昇傾向です。
また、正社員は福利厚生の充実や各種手当があるため、ひとつの工場で長く勤務したい方は、正社員も検討してみるとよいでしょう。
自動車組み立て工場の製造工程は6つ
自動車組み立ての製造工程は、大きく以下の6つに分けられます。
・プレス工程
・溶接工程
・塗装工程
・エンジン製造工程
・組み立て工程
・検査工程
それぞれの製造工程について、詳しく解説します。
①プレス工程
プレス工程とは、1枚の鉄板をプレス機で成型する仕事です。
車体のフレームを作っていきます。
なお、プレス機の操作には「プレス金型取替作業者」の資格が必要です。
10時間ほど学科や実技を受ける必要はありますが、比較的難易度が低い資格といえます。
1万円程度の受講料で受けられるため、プレス工程の仕事を希望する場合は、資格を取得しておきましょう。
②溶接工程
溶接工程とは、プレス工程で成形されたパーツを溶接し、フレームを作成する仕事です。
電気やガスなどで高熱にし、金属を接合していきます。
なお、溶接に関しては「溶接管理技術者」「溶接技能者」などの資格があります。
就職に有利に働く可能性もあるので、可能であれば取得を目指しましょう。
③塗装工程
塗装工程は、下記のような工程に分けられます。
1.車体のサビを防止するための電着塗装(電気を通しやすい電着塗料のプールに自動車を浸し、直流電気を流して行う)
2.水やほこりの侵入を防ぐシーラー塗布(車体の小さな隙間にシーラーを塗布する)
3.車体に色を付ける本塗装(中塗り、ベース、クリアの3工程で塗装する)
4.塗装検査(塗装に問題がないか最終確認し、ムラがあれば研磨する)
基本はロボットが塗装しますが、細かい作業は人の目と手で行われます。
④エンジン製造工程
自動車の心臓部であるエンジンは、以下の工程で行われます。
1.エンジンの金属を加工する「鋳造(ちゅうぞう)」を行う
2.鋳造で作られた部品を機械で加工する
3.耐久性を高めるために熱処理を行う
4.各パーツを組み立てる
こちらも基本的には機械で作られますが、細かな作業や最終チェックは、経験が深い技術者によって行われています。
⑤組み立て工程
組み立て工程とは、エンジンが取り付けられた車体に、それぞれの部品を組み立てていく仕事です。
ベルトコンベアで流れてくる部品を、定位置に配置された人員が組み立てていく「ライン生産方式」が用いられています。
ベルトコンベアは一定の速度で進み続けるため、自分の担当の仕事は決められた時間内にミスなく終わらせなければなりません。
そのため、組み立て工程は集中力、正確性、スピードが求められる仕事といえます。
⑥検査工程
自動車は製造後に、「完成検査」を行ってから出荷されます。
完成検査とは、国によって定められた安全基準を満たしているかを確認する検査のことです。
すべての検査をクリアしなければ、自動車は出荷できません。
検査は数百項目あり、完成検査員によってひとつずつチェックされていきます。
なお、完成検査員として業務を行うには「自動車検査員」の資格が必要です。
自動車検査員は国家資格となり、合格率も50%のため、だれでも受かるわけではありませんが、国家資格の中では比較的難易度は低いため取得を目指してみてください。
ただし、実務経験などの受験資格があるため、事前に確認しておきましょう。
自動車の組み立て工程
自動車の組み立て工程は、7つの工程に分けられており、以下の順番で行われます。
1.インストルメントパネル(運転席前のメーターやオーディオなどのパネル)の取り付け
2.ガラス貼り付け(傷がつかないよう吸い付け工具などで運び、LED照明センサーでズレないように設置)
3.バンパー取り付け(人の手によってバンパーを車体に取り付ける)
4.エンジン取り付け(エンジン本体はすでに取り付けられており、サスペンションなどの部品をこの工程で取り付ける)
5.シート取り付け(別の工場で作られたシートを、ロボットを操作して取り付ける)
6.タイヤ取り付け(ガラスと同じくLED照明センサーで位置確認を行い、ロボットを操作して取り付ける)
7.ドア取り付け(ドアのネジ取り付けは繊細な動作が必要なので、人の手によって行われる)
「組み立て工程」といっても、担当する仕事によって内容は大きく変わります。
自動車組み立て工場の仕事がきついと言われる3つの理由
どのような仕事にも大変さはありますが、自動車の組み立て工場の仕事も「きつい」と言われることがある職種です。
自動車組み立ての仕事がきついと言われる理由は、主に下記の3つあります。
・肉体労働による疲労
・労働環境
・精神的なつらさ
それぞれの理由についてひとつずつ解説します。
きつさの感じ方には個人差がありますので、あくまでも参考程度にしてください。
①肉体労働による疲労
自動車工場は基本的に立ち仕事がメインです。
担当場所によっては、パーツを持ち運ぶなど体力の消耗が激しい仕事が多いこともあるでしょう。
また、肉体労働による疲労が大きく、とくに仕事に慣れるまでは毎日クタクタになることもあると思います。
しかし、続けていくと仕事に必要な筋肉や体力が徐々についていきます。
さらには、自分の肉体を効率的に使うテクニックも身につくため、肉体労働による疲労は次第に慣れていくでしょう。
②労働環境
工場によっては冷暖房の効きが悪い、あるいは冷暖房が完備されておらず、暑さや寒さを辛く感じるケースもあるでしょう。
部品の油のニオイや工場内の音などに慣れるまでに時間が掛かる場合もあります。
また、危険な作業を伴う自動車製造業では、死傷事故が稀に起こることもあります。
厚生労働省が行った調査では、自動車製造業で4日以上の休業が必要な死傷者数は、平成22年で1,119名です。
事故が起こるのは自動車製造業に限った話ではありませんが、同業者内で噂が回れば「自動車組み立ての仕事はきつい」という印象が付いてしまう要因となるといえるでしょう。
参照:厚生労働省「第2章 自動車製造業等における構内請負及び労働災害の状況」
③精神的なつらさ
自動車組み立ての仕事は、同じ作業の繰り返しです。
ひとりで黙々と単純作業を行わなければならないため、コミュニケーションを図りながら楽しく作業をしたい人にとっては苦痛に感じる可能性があるでしょう。
また、担当によってはチームを組む場合もあるため、人間関係に悩まされる可能性もあります。
そのほか、ベルトコンベアの流れを止めないように、組み立ての仕事にプレッシャーを感じ、精神的につらいと感じる人もいます。
自分のミスでほかの工程まで止めてしまうことになるため、自己嫌悪しやすい人には、かなり大きな精神的負担を感じるかもしれません。
自動車組み立て工場で働く4つのメリット
しかし、自働車組み立て工場の仕事はきついだけではありません。
以下のようなメリットがあります。
・短期間で高収入を得られる
・派遣や期間工など未経験からでも働ける
・寮費が無料のケースが多い
・派遣や期間工から正社員登用も狙える
仕事を選ぶ際は、メリットとデメリットを把握したうえで、自分に適しているかを考えることが重要です。
自動車組み立て工場で働くメリットについて、詳しく解説します。
①短期間で高収入を得られる
自働車組み立ての仕事は、大変な部分が考慮され、ほかの職種よりも時給が高い傾向です。
また、二交替制で1日の労働時間が長い場合、さらに残業代が上乗せされます。
集中的に夜勤のシフトを選べば、高い収入が得られるでしょう。
繁忙期に期間工として働けば、短期間で高収入を得られます。
収入の高さ、しかも働き方によっては短期間で一気に稼げる点が、自動車組み立ての仕事の大きな魅力です。
②派遣や期間工など未経験からでも働ける
自働車製造の仕事には熟練した技術が必要な場合もありますが、組み立て工程は決まった作業を正確に行うものが多く、未経験歓迎の求人がたくさん見つかります。
また、自動車は需要が高く、工場の稼働率も高いため、求人数が多いのも魅力です。
未経験でいきなり正社員になることは難しい可能性がありますが、派遣や期間工として未経験からでも働ける点はメリットといえるでしょう。
③寮費が無料のケースが多い
自動車工場では社員寮を完備していることが多く、その寮費は無料であるケースが多いのも魅力です。
寮によっては、光熱費や水道代、Wi-Fiなども無料の場合があります。
生活費が大幅に節約できるため、収入の多くを自由に使うことが可能です。
また、寮によってはテレビやエアコン、寝具など、生活に必要な物が一通りそろっているところもあり、新生活に必要な出費を抑えられるのもメリットといえるでしょう。
④派遣や期間工から正社員登用も狙える
自働車メーカーでは、派遣社員や期間工から正社員登用が行われているケースが多々あります。
たとえば自動車大手メーカートヨタでは、2017〜2021年の5年間で1,184名もの社員投与制度実績があります。
そのため、最終的に正社員を目指したい方は、「正社員登用制度あり」と明記された求人から仕事を選ぶとよいでしょう。
なお、派遣から正社員を目指す場合は、最初から紹介予定派遣の仕事を探すこともおすすめです。
紹介予定派遣とは、一定期間派遣社員として働き、派遣先企業が合意すれば、契約期間後に正社員登用される制度です。
自動車組み立て工場の仕事を探している方は、寮付き求人.comを活用しよう!
自働車の組み立て工場の仕事は大変ですが、収入の高さや正社員登用などメリットも多いです。
仕事の適性を見るために、派遣社員として期間限定で働くのもよいでしょう。
充実した寮付きの仕事を選べば、広いエリアから仕事を選ぶことも可能です。
そこで、寮付きの自動車工場の求人を探したい方は、ぜひ当サイト「寮付き求人.com」を活用してみてください。
寮付き求人.comの求人は、すべて「完全個室」「冷暖房・テレビ、寝具完備」です。
寮費無料やWi-Fi完備など、複数の検索条件から求人が探せます。
未経験者歓迎の求人も多いので、自動車工場の仕事に興味がある方はぜひ活用してみてくださいね。
CONTACT / 応募フォーム
|
|
---|---|
|
|