バレル研磨とは?活用されている製造品の例や手法の種類を解説
2021年05月13日公開

目次
バレル研磨を活用して仕上がりの質を上げていこう!
「バレル研磨とはどんな仕事?」「バレル研磨手法の種類はなにがあるの?」「バレル研磨で製造品を仕上げるメリットを教えてほしい」など、バレル研磨の内容や手法の種類について疑問がある人も多いのが現状なのではないでしょうか。
とくにバレル研磨は表面にツヤを出し、見た目が非常にきれいになります。
そのため、バレル研磨の基礎知識を学びうまく活用していけば、仕上がりの質も上げていけるのです。今回はそんなバレル研磨の内容や手法の種類について徹底解説していきます。
バレル研磨とは?
バレル研磨はドラム形状の「バレル研磨機」に研磨石・工作物・コンパウンド(研磨用の洗剤)・水を入れ、研磨機を振動・回転させ、研磨石と工作物が擦れ、磨いていく手法です。
製品の最後の工程として、スケール取り・R付け・バリ取り・鏡面仕上げなどがありますが、
すべてまとめて処理できるのもバレル研磨機の特徴のひとつ。
また、研磨は手作業で行われるのが一般的ですが、バレル研磨であれば作業員の経験やスキルに関係なく、仕上がりにバラつきなく一定を保てるので、工場でも重宝されています。
バレル研磨が活用されている製造品の例
バレル研磨は工作物をまとめて処理できるため、AV関連機器・自動車・デジタルカメラ部品など、多くの業界で採用されています。
また、精密部品や電気・弱電部品などの取り扱いがむずかしい製造品についても、バレル研磨が大活躍しているのです。
バレル研磨手法の種類
ひとえにバレル研磨と言っても、加工法にはいくつか種類があり、使用機械もことなります。ここからはバレル研磨手法の種類について見ていきましょう。
<回転バレル研磨>
回転バレル研磨はバレル研磨の中でも一般的な手法のひとつです。バレル研磨機を同じ方向に回転させ、槽内で研磨石と工作物を研磨していきます。数mmから最大40cm程度の中型工作物までが対応しており、幅広く研磨できるのが特徴です。
<遠心バレル研磨>
遠心バレル研磨は4個のバレル槽を高速で回転させ、遠心力によって研磨させる手法です。研磨手法の中で一番研磨力が強く、短い時間で研磨できるため、量産に向いています。また、タンクが小さい特徴もあり、軽い小型製品の加工にも適しているのも特徴です。
<振動バレル研磨>
振動バレル研磨はバレル槽の中心にあるモーターが細かく振動し、タンク内に入れた工作物と研磨石が摩擦し研磨する手法です。回転バレルよりも工作物と研磨石がより細かく研磨するため、重い部品や形状の大きい部品の加工に適しています。
<流動バレル研磨>
流動バレル研磨はたらい型のタンクの下部に設置された回転盤の回転によって研磨する手法です。タンク上部が開放されているため、製品の状況を確認しながら研磨でき、回転バレルの10~15倍の処理能力があるのも特徴になります。
バレル研磨で製造品を仕上げるメリット
バレル研磨最大のメリットは一度に多くの製品を研磨できる点です。洗濯機と同じ原理で研磨しているため、違った加工物を大量に研磨できます。
ステンレスの表面に回転させつつ研ぐバフ研磨とくらべて、コストが安く大量の製品を研磨できるのも特徴のひとつ。
また、冒頭でも解説したとおり、手作業とは違い工作物や研磨石量の調整や機械の操作だけのかんたんな内容ですので、作業員のレベルに関係なく研磨できるのもバレル研磨で製造品を仕上げるメリットです。
バレル研磨で製造品を仕上げるデメリット
バレル研磨最大のデメリットはタンク容量が限られているため、研磨する製品が大きい場合、タンクに入りきらず研磨できない可能性がある点です。その場合、より大きなバレル研磨機が必要になりますが、工場によっては制限があるケースも。
また、製品の形状が単一なら問題ありませんが、複雑な構造の場合、ムラが生じ、磨き残しが発生する可能性もあります。
いずれも前述したバフ研磨により対応可能なため、製品によってバレル研磨とうまく使い分けていくといいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回はバレル研磨の特徴や製造品例・手法の種類について紹介しました。バレル研磨は一度に大量の製品を研磨できる大変優れた手法です。操作ひとつで作業が開始されるため、作業員のスキルや経験に関係なく同じレベルの仕上がりが期待できるのがバレル研磨のメリットでもあります。バレル研磨をうまく活用できれば、業務効率化に大きく役立てるはず。あらためてバレル研磨の特徴を理解し、魅力に気付いてもらえれば幸いです。
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