工場での金属加工ってどのような仕事なの?仕事内容から平均給与まで解説
2022年09月19日公開

目次
金属加工の仕事に興味があるけど、「実際どんな仕事内容なの?」「平均年収はどのくらい?」「資格は必要?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
「金属加工」と一口にいっても、その仕事内容は幅広くさまざまです。
この記事では、金属加工の仕事内容を詳しく解説し、平均年収や必要な資格について紹介していきます。
金属加工の仕事に興味のある方はぜひご覧ください。
工場での金属加工って何をしているの?
金属加工の仕事は、金属の部品や製品を作る上で欠かせない重要な加工技術のひとつです。
たとえば、自動車部品のように金属を加工したものが部品や製品になるものや、携帯電話や家電のように金属を加工して作った金型から製品を成形するものなど、いずれも製品を作る上で「金属加工技術」が必要となります。
金属加工と一口に言ってもその仕事内容は広く、切断、プレス、溶接などさまざまです。
この作業には資格が必要なものや、職人技が求められる工程などもあるため、技術を取得するまでは時間がかかる場合もあるでしょう。
金属加工の種類
実際に、金属加工工場ではどのような仕事の種類があるのか気になりますよね。
ここでは、金属加工が必要となる工場の種類について紹介していきます。
金属加工の仕事の種類は主に3つに分けられます。
・機械加工
・熱処理加工
・表面処理
これらがどのような仕事内容なのか解説していきます。
種類① 機械加工
機械加工とは、その名の通り機械を使用して部品や製品を加工製造することを指します。
機械加工の中でも作り方によって「成形」「除去加工」「付加加工」「結合」の4種類に分けられます。
機械加工の仕事では、製造する製品の材料となる金属の材質や形状に合わせて加工に使用する機械を変えたり、加工の手順を考えたりと、状況に合わせた多様な技術が必要です。
金属加工といえばこの機械加工を指すことも多く、以前から使われているフライス盤や旋盤といった機械に加え、最近ではマシニングセンタという数値制御によって動く機械が主流になりつつあります。
機械加工の仕事は、機械を正確に動かすための知識と技術が求められ、責任も大きいですが、モノづくりの要になる重要な仕事です。
種類② 熱処理加工
熱処理加工とは、金属を高温で加熱、冷却することにより金属の性質を変化させたり、見た目の形成をする加工方法です。
熱処理加工は、素材全体の性質を熱処理加工によって変化させる「全体熱処理」と、素材の表面だけを変化させる「表面熱処理」の2種類があります。
また、熱処理加工の多くは高熱処理を行いますが、「特殊熱処理」と呼ばれる冷却による熱処理方法もあり、製品の使用目的によってさまざまな方法を使い分ける必要があるため、知識と技術が求められる仕事です。
種類③ 表面処理加工
表面処理とは、その名の通り表面に対して行われる加工のことです。
見た目を整えるという役割はもちろん、耐久性や強度を高めるなど、見た目以外にも目的があります。
表面処理の方法も電気化学処理や塗装、物理的表面処理と3種類にわけることが可能です。
めっき加工や塗装などが代表的な表面処理方法で、外壁の塗装や車のコーティングなどもそのひとつ。
光沢がでて見た目がキレイになることはもちろん、表面処理をすることで老化を防ぎ、耐久性と強度を高められる効果もあります。
表面加工は、もっとも私たちの目につきやすい金属加工の方法といえるでしょう。
工場内での金属加工の作業の種類
上記では金属加工の仕事の種類について解説しましたが、ここではもう少し深掘りし、実際の作業内容について紹介していきます。
工場内で行われる、金属加工作業の種類は主に下記の5つです。
・切断
・研磨
・プレス
・溶接
・積層造形
これらがどのような加工内容なのか解説していきます。
種類① 切断
切断とは、文字通り金属を切断する加工方法で、2次元・3次元のレーザーや、電線を使用して切断を行います。
切削加工を行うには旋盤、マシニングセンタ、フライス盤、複合加工機などを使用することが一般的です。
機械の種類によって作業工程に違いはありますが、金属を削って目的の形を作り出すという点ではすべて同じ目的をもちます。
また、切ると表現されていますが、穴開け加工なども切断加工に当たる作業です。
種類② 研磨
研削とは、砥石を高速で回転させ材料となる金属を押し当てて削り、表面を磨いて滑らかにしたり、規定のサイズに加工したりする加工方法です。
非常に正確性の高い表面処理ができるため、すべての加工工程の最終仕上げとして行われることが多い作業といえるでしょう。
研磨加工は削れる量がそれほど多くないため、削る部分が多い状態から加工を始めると完成までに時間がかかってしまいます。
スムーズに作業を行うためには、研磨加工をする前に、あらかじめ切断加工などで完成品に近い形まで加工しておくことがおすすめです。
種類③ プレス
プレスとは、金属をシャーリングマシンやプレス機などを使用して金属に圧力をかけ、曲げたり変形させたりする加工方法です。
家電製品や車のボディ外板など幅広い製品の製造で活用されています。
機械などを使用することで同じ品質の製品を大量生産できるといったメリットがありますが、その反面、成形できる形が限られ、自由度が低いといったデメリットもあります。
また、プレス加工を行うことで、バリやシワ、曲げ加工で起こる割れなど、不良の原因となる場合もあるでしょう。
不良を完全に防ぐことは難しいですが、マシンの設定や金型の設定などを行い、不良の原因を未然に防ぐ技術も求められます。
種類④ 溶接
溶接とは、熱を加えて金属を溶かし、接合させる加工方法のことです。
溶接はとくに硬い金属の場合に活用されます。
溶接の中で最も基本的な方法としてあげられるのが融接という方法で、材料となる金属に熱を加え、溶かして繋ぎ合わせた後、冷やして固定するという方法です。
その他にもアーク溶接やガス溶接などさまざまな溶接方法があります。
また、最近ではマシニングセンタなど数値制御によって動くNC工作機械などを操作し、金属の溶接などの作業を行うケースもあるでしょう。
種類⑤ 積層造形
金属積層造形とは、主に金属3DプリンターのCADデータを用いて、金属の層を積み重ね、3次元の形を作る技術のことです。
金属積層造形には金属3Dプリンターが使用されますが、使用される金属材料は、アルミニウム系、チタン系、銅系、鉄鋼系とさまざまで機械によって対応できる材料は異なります。
金属積層造形は切断などでは難しい加工にも対応することが可能です。
すき間のある製品やうすい製品のものなど、加工が困難とされる金属にも対応でき、複雑な形状の加工が可能なため、いま注目されている加工方法といえます。
金属加工が施され、工場で作られる製造物とは
ここまで仕事内容について紹介してきましたが、実際に工場では金属加工を施して、どのようなものが製造されているのでしょうか。
ここでは金属加工を施し、工場で作られる製造物を紹介していきます。
金属加工工場で製造されているものは、大きく分けて3つです。
・さまざまな機械の部品
・金型
・製品
これらについて以下で解説します。
さまざまな機械の部品
製品を作る上で欠かせない必要なパーツや部品は金属を加工して作るケースもあります。
金属を加工したものがそのまま製品や部品となることも多く、自動車部品や航空機部品など乗り物にも多く使用されています。
金型
金属加工は製品や部品を作るためだけに施されているわけではなく、「金型」を作成するためにも活用されています。
金属を加工して作った金型を活用し、さまざまな形に成型することで、携帯電話や家電など私たちにとって身近な製品の形を作り出しているのです。
製品
機械の部品や金型以外にも、金属加工が施されたものが商品として販売されていることもあります。
例えば、スプーンやフォーク、ナイフなども金属で作られていますが、これらの製品を製造するときの製造方法ではプレス加工が用いられることが一般的です。
プレス加工で大量に生産することによって、安い費用で使用者の手に渡る仕組みとなっています。
金属加工の工場勤務の平均給与
ここまでは金属加工によってどのようなものが作られているのかを解説しましたが、やはり気になるのは給与面ですよね。
ここでは工場勤務で金属加工の仕事をしている場合の平均給与を
・正社員
・派遣社員
・パート
それぞれに分けて解説していきます。
正社員の場合
金属加工の工場勤務の平均給与は、正社員の場合、月給約29万円で平均年収は約347万円となっています。
ちなみに初任給の相場は月給約20万円程度です。
日本の平均年収と比較するとやや低い傾向にはありますが、全体の給与幅は270〜670万円と比較的広いため、経験や技術、知識など求められるスキルや職場によっても大きな差があるといえるでしょう。
派遣社員の場合
金属加工の工場勤務の平均給与は、派遣社員の場合、平均時給が1,249円となっています。
派遣社員の全国平均時給は1,500円程なので、派遣社員の場合も時給はやや低い傾向です。
しかし、正社員と同様に時給の振り幅が比較的広く、経験や知識、スキルによっても大きな差があります。
パートの場合
金属加工の工場勤務の平均給与は、パートの場合、平均時給が1,000円となっています。
パートの全国平均時給は1,000〜1,100円程なので、パートの場合、時給はほぼ平均水準にあるといえるでしょう。
金属加工でおすすめの資格3つ
金属加工の仕事は必ずしも資格が必要という訳ではありませんが、専門的な技術力が必要になることが多く、資格が必要になる場合も多々あります。
それに加え資格を持っていると自分の技術力の証明にもつながるため、就職で有利に働くといったメリットもあるでしょう。
しかし、一口に金属加工の資格といっても、たくさんの資格の種類があります。
ここでは、その中から取得するべきおすすめの資格を3つ紹介します。
おすすめの資格は下記の通りです。
・機械加工技能士
・めっき技能士
・溶接技能者
これらがどのような資格で、なぜこの資格がおすすめなのかや受験資格など詳しく解説します。
①機械加工技能士
機械加工技能士とは、金属などを切断したり研磨したりして形を整えられるなど、機械加工の技術を証明する国家資格です。
階級は、特急・1級・2級・3級の4種類。
機械加工技能士の資格がなくても仕事はできますが、機械加工技能士の資格を取得すると技術力の証明になりキャリアUPや就職に有利になる可能性があります。
機械加工技能士1級を取得すれば上級技能者として認められるでしょう。
機械加工の仕事でキャリアUPを目指す人におすすめの資格だといえます。
【受験資格】
受験資格は階級によって異なります。
3級:不問
2級:実務経験2年以上
1級:実務経験7年以上
特級:1級合格者で5年以上の実務経験者
【受験料】
受験手数料は各都道府県によって異なりますが、標準金額は、実技試験18,200円、学科試験3,100円です。
②めっき技能士
めっき技能士とは、メッキをほどこす作業に必要な技能を証明する国家試験です。
階級は、特急・1級・2級・3級の4種類。
めっき技能士も資格がなくても仕事はできますが、優秀な人材を確保するために、めっき技能士の資格取得を推奨している企業もあります。
つまり、めっき技能士の資格があることで転職や就職でも有利に働き、キャリアUPにもつながるでしょう。
【受験資格】
受験資格は階級によって異なります。
3級:不問
2級:実務経験2年以上、または3級合格者
1級:7年以上の実務経験、または2級合格後2年以上、3級合格後4年以上の実務経験
特級:1級合格者で5年以上の実務経験者
【受験料】
受験手数料は各都道府県によって異なりますが、標準金額は、実技試験18,200円、学科試験3,100円です。
③溶接技能者
溶接技能者とは、溶接の仕事をする上で必要となる資格です。
溶接技能者は、溶接方法や使用する材料などによって資格が分かれており、それぞれ求められる知識も異なります。
主にガス溶接やアルミニウム溶接、アーク溶接などの種類がありますが、一般的に一番難易度の低い資格はアーク溶接で、より需要高い資格はアルミニウム溶接といわれています。
このように溶接技能者の中にもさまざまな種類があるため、自分のやりたい仕事に合わせて資格の種類を選びましょう。
【受験資格】
種目により異なりますので、それぞれの資格案内サイトをご確認ください。
【受験料】
実技受験料:種目により異なります。
筆記試験:1,100円(1種目ごと)
認証審査料:2,860円
試験手数料:3,500円
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ここまで、金属加工の仕事内容について解説しました。
金属加工の仕事に興味のある方はぜひ参考にしていただけると幸いです。
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