溶接工の将来性は?メリット・デメリット・年収・必須資格まで解説
2022年05月11日公開 2022年06月15日更新

目次
「溶接のスキルを身につけられる仕事につきたい」「でも溶接のスキルは今後も仕事に活かせるのかな」「溶接工は今後も需要があるのかな」と考えている方もいるのではないでしょうか?
溶接のスキルは今でも需要のあるスキルで、仕事に活かすことが可能です。
また、簡単に身につくスキルでもないため、ひとり立ちできるほどのスキルを身につけることができれば、多くの職場で重宝される人材となることもできるでしょう。
この記事では、溶接工の仕事内容や溶接工の将来性について解説しています。
後半では、溶接工におすすめの資格などについても解説していますので、溶接に係る仕事につきたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
溶接工ってどんな仕事?
溶接とは材料を加熱・加圧することで溶かし、2つの材料を一つに接合する技術のことを指します。
そして溶接工とはその名の通り、その溶接の技術を使って作業を行う仕事です。
主に下記の2つの現場で勤務することになります。
・自動車や船、重電機などの一般機械を製造する工場
・建設現場
溶接工では、学歴や年齢よりも技術・実力・知識などが重要視されます。
そのため、未経験であってもしっかりと技術を身に付けていけば、将来的に高収入を狙えるのも溶接工の魅力の一つです。
溶接を行うために必要な最低限の技術は、約1年で身につくと言われていますが、溶接工として一人前になるには約3年の期間が必要とされています。
溶接工の仕事は高い技術を身につけるまでに時間を要するため、他の職種に比べ平均年齢はやや高めです。
技術を身につければ長く働ける仕事といえるでしょう。
溶接工の仕事は将来なくなる?
結論からいうと、溶接工の仕事が将来完全になくなることはないでしょう。
これからの時代、どの製造業においても機械化される作業は多くなり、溶接ロボットができる作業の幅も広がっていくと考えられています。
しかし図面の考案や特殊な材料の加工、美しい仕上げなど、経験を積み重ねてきた職人にしかできない作業もあるため人の手は必要です。
このことから、溶接工の仕事が完全にロボットに奪われる可能性はかなり低いと言えます。
機械に負けない確かな技術力を身につけておけば、溶接工としての将来は問題ないでしょう。
溶接工のメリット3選
溶接工として働くメリットは下記が挙げられます。
・高収入も見込める
・手に職をつけられる
・将来性がある
これらについて下記で解説していきます。
メリット① 高収入も見込める
溶接工の仕事は技術職ではありますが、給料は比較的一般的な給料相場となっています。
アルバイトや派遣であれば、平均時給は1000〜1500円。
溶接工の正社員の平均年収は350〜450万円ほどです。
しかし、溶接工の仕事は年齢でなく、技術に伴って給与が上がります。
給与は、見習い・ベテラン・一人親方の3段階のレベルに分かれていることが一般的です。
見習いの給料相場
見習いレベルの平均年収は約300万円です。
仕事を覚える期間であり、あくまでも見習いのため給与は少し低めになります。
しかし、この見習い期間は、溶接工としての基盤を作る大切な期間です。
溶接工のキャリアを築き上げていくためにも、しっかりと基礎知識を叩き込んでいく必要があります。
ベテランの給料相場
ベテランレベルの平均年収は400万円〜700万円程です。
ベテランクラスになると、技術力も上がり、あらゆる作業をこなせます。
技術が高ければ、20代後半でもベテランクラスに上がることができ、高収入が見込めます。
一人親方の給料相場
一人親方レベルの平均年収は、750〜1000万円以上となっています。
一人親方とは熟練の技術を身につけ、独立して会社を立ち上げている人のことです。
独立することで平均年収が上がるケースもありますが、それに伴い、溶接作業だけでなくチーム全体の管理も行うようになります。
溶接工は、このように技術力に伴って給与が上がる可能性のある仕事です。
メリット② 手に職をつけられる
溶接工は手に職をつけられる職業です。
溶接工で一人前の技術を身につければ、年齢に左右されず長く仕事を続けられます。
溶接工としての技術を身につけるには時間を要するため、技術力のある溶接工は多くの企業に求められます。
そのため、年齢を重ねていても転職が有利になるでしょう。
また、人手不足解消の観点から溶接工の育成に力を入れている企業も多いので、未経験の人でもチャレンジできる可能性が高い職種でもあります。
これから手に職をつけたいと考えている方にとっても溶接工はおすすめの仕事です。
メリット③ 将来性がある
溶接工の仕事は今後も必要とされ、なくなる可能性は低いと言えます。
また経験を積み、技術力を高めていけば、技術力に伴って高収入を見込むことも可能です。
最終的に独立すれば、年収1000万円以上の高収入も目指せるでしょう。
このように溶接工はキャリアアップを狙え、将来のビジョンが広がりやすい職種でもあります。
技術さえあれば需要が高いため仕事に困らず、就職や転職においても有利になるといえるでしょう。
溶接工のデメリット2選
上記で紹介したメリットに対し、溶接工として働くデメリットは下記が挙げられます。
・体力、力仕事が求められる
・怪我やリスクの危険性
これらについて以下で解説していきます。
デメリット① 体力・力仕事が求められる
溶接工の仕事現場は、工場や建設現場であるため必然的に力仕事が求められます。
また、溶接の仕事現場は常に高温の側で作業することもあるので、夏場は特に暑く熱中症などの危険性もあるでしょう。
逆に冬に行う溶接の作業は、手足がかじかむなど、厳しい作業現場になります。
溶接工の仕事は、重たい金属を運ぶこともありハードな作業も多いので、体力が必要とされる仕事です。
そのため、あまり体力がない方だとはじめは大変に感じることもあるかもしれません。
しかし、経験を積むことで仕事にも慣れ、体力面も問題なく業務を行えるようになりますので、そこまで不安に思う必要もないですよ。
デメリット② ケガやリスクの危険性
溶接工の仕事には怪我やリスクの可能性もあります。
溶接では高温の金属を使用するため、常に火傷のリスクも隣り合わせの作業となるでしょう。
ただ、もちろん長袖の作業着や厚手の手袋を着用するなど、火傷防止の対策はしていますので、しっかり対策できていれば火傷をすることはありません。
また、溶接の作業では火花とともに強い光が発生します。
この光を直視してしまうと視力の低下の原因や、角膜を傷つけてしまうなど、目に害を及ぼす可能性があります。
そのため、ゴーグルをつけての作業にはなりますが、少なからず目に負担が掛かる可能性があることは頭に入れておいた方がよいでしょう。
溶接工の仕事では怪我や火傷などのリスクがあるため、細心の注意を払って作業してください。
溶接工に資格は必要?
溶接工の仕事をするにあたって、必ず資格が必要な訳ではありません。
しかし、溶接工の仕事を長く続けるのであれば資格を取得することはおすすめです。
溶接の資格を取得すると仕事の幅が広がり、難易度の高い作業も行えるようになります。
難易度の高い作業が行えるようになることで、キャリアアップに繋がり高収入が見込めるようになるでしょう。
また、資格を保有していることが、溶接工で一番求められる技術力の証明になるため、就職や転職に有利になるというメリットもあります。
溶接工で高収入を目指すのであれば、資格を取得も目指しましょう。
溶接工になるなら取るべきおすすめの資格
溶接工の資格と一口に言っても、さまざまな種類があります。
どの資格を取得すればよいかわからない方に向けて、溶接工になるなら取るべきおすすめの資格をご紹介します。
おすすめの資格は下記の通りです。
・アーク溶接作業者
・ガス溶接技術者
・アルミニウム溶接技術者
・溶接管理技術者
・ボイラー溶接士
・ガス溶接作業主任者
・溶接作業指導者
この7つについて下記で解説していきます。
①アーク溶接作業者
アーク溶接は多くの金属溶接に用いられている、主流の溶接方法で、溶接工の基本中の基本となる資格です。
アーク溶接では火災や爆発、感電などの危険性があるため、作業を行うために資格が必要となります。
▼資格概要
受験資格:満18歳以上であること
取得・講習受講費用:1万円~2万3,000円程度
取得方法:学科11時間、実技10時間の合計21時間の講習を受けるだけで取得が可能
②ガス溶接技能者
ガス溶接技術者も、溶接工の基本となる資格です。
ガス溶接とはガスバーナーの炎を使って金属を溶かし、溶接する方法で、このガス溶接を行うためにはガス溶接技術者の資格が必要となります。
▼資格概要
受験資格:満18歳以上であること
取得費用:1万3,000円~2万2,000円程度
取得方法:
学科8時間、実技5時間の合計13時間講習を受け、学科の修了試験に合格すると取得が可能。すべての得点総計が60点以上、3科目それぞれ40点以上で合格となります。
③アルミニウム溶接技能者
アルミニウムは、酸化しやすい・溶けやすいといった特徴を持っており、溶接が難しいため確かな知識と技術が求められます。
そのため、アルミニウム溶接技術者の資格を保有しておくことで、技術力を証明できるでしょう。
▼資格概要
基本級の受験資格:1か月以上アルミニウムの溶接技能を習得した満15歳以上の人
専門級の受験資格:3か月以上アルミニウムの溶接技能を習得した満15歳以上の人。また、基本級の資格を持っていること
取得費用:学科1130円、実技8040円〜
取得方法:学科試験、実技試験に分けられています。実技試験は、ティグ溶接とミグ溶接の2種類から選択して受験することが可能です。
④溶接管理技術者
溶接管理技術者は、施工の計画から、作業の管理まで行える溶接工と認定する資格です。
溶接管理技術者に求められるのは、溶接に関する知識や技術だけでなく、施工と管理についての専門的な知識が必要となります。
▼試験概要(2級)
受験資格:学歴や職務経験によって異なる
取得費用:筆記試験13,200円、口述試験22,000円
取得方法:筆記試験:総得点が60点以上、口述試験:十分な知識および職務能力を有すると認められた場合
▼試験概要(1級)
受験資格:学歴や職務経験によって異なる
取得費用:筆記試験13,200円、口述試験22,000円
取得方法:筆記試験:総得点が70%以上、口述試験:十分な知識および職務能力を有すると認められた場合
⑤ボイラー溶接士
ボイラー溶接士は、ボイラーの製造や修理などの溶接を行う際に必要な資格です。
▼資格概要(普通ボイラー溶接士)
受験資格:1年以上溶接作業の経験がある者
取得費用:学科6,800円、実技18,900円
取得方法:学科の総得点が60%以上、実技試験すべての結果判定に合格した場合
▼資格概要
受験資格:普通ボイラー溶接士免許を取得しており、1年以上ボイラーまたは第一種圧力容器の溶接作業の経験がある者
取得費用:学科6,800円、実技21,800円
取得方法:学科の総得点が60%以上、実技試験すべての結果判定に合格した場合
⑥ガス溶接作業主任者
ガス溶接作業主任者は、ガス全般に関する知識、およびその法令に関する知識があることを証明する資格です。
また、現場の指揮や作業方法を決定するための資格でもあります。
▼資格概要
受験資格:学歴や年齢・実務経験と言った受験資格はなく誰でも受験可能
取得費用:6,800円
取得方法:学科科目ごとの得点が40%以上で、かつ総得点が60%以上で合格
⑦溶接作業指導者
溶接作業指導者は、溶接の作業員に指導などを行うための資格です。
工場や建設現場のリーダークラスに求められるスキルとなります。
▼資格概要
受験資格:25歳以上、JISまたは公的機関の資格保有者かつ一定の実務経験がある方
取得費用:5万1,700円
取得方法:3日間の講習を受け、学科の修了試験に合格すると取得が可能です。
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