工場の流れ作業ってどんな仕事？働くメリットや流れ作業のコツまで紹介

2022年10月09日公開     2022年11月28日更新

工場の流れ作業に興味を持っている人の中には、

「工場の流れ作業って具体的にどのような仕事なの？」

「工場の流れ作業のメリットとデメリットは？」

「なんとなく楽なイメージがあるけど、実際はどうなの？」

と疑問や不安を抱えている人もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、工場の流れ作業に興味のある人や、これから仕事を探そうとしている人に向けて、流れ作業の具体的な工程からメリット・デメリット、注意点やコツまで解説していきます。

流れ作業の仕事が気になる方はぜひ参考にしてみてください。

工場の流れ作業ってどのような仕事？

工場の流れ作業（ライン作業）は、正式には「ライン生産方式」と呼ばれています。

ライン作業とは、製造現場でひとつの製品や部品を大量に生産することを目的として行う流れ作業のことです。

工場と聞くと、大きなベルトコンベアーを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

工場のライン作業では、そのベルトコンベアーから流れてくる製品や部品を組み立てたり、加工したり、検品、梱包を一連の流れ作業で行います。

ライン作業で扱う製品は、食品から機械系まで工場によってさまざまです。

ライン作業は効率よく作業をすすめる上でも効果的な方法のため、多くの工場でライン作業が導入されており、その分多くの募集がされています。

流れ作業の求人が多い主な工場の業種3選

流れ作業の求人が多い主な業種は以下の3つです。

・機械系

・食品系

・化粧品系

これらの業種について解説していきます。

①機械系

機械系の工場では、自動車やバイクなどの乗り物、エアコンや洗濯機、冷蔵庫などの家電、半導体、ICといった精密機械などを取り扱っていることが一般的です。

大きな部品を扱う場合は、その分力仕事が必要となり、反対に細かい部品が多い場合は正確性や手先の器用さが求められます。

機械系の工場は、商品が完成するまでの工程数が多いのが特徴で、その工程をより効率化するためにライン作業を導入しやすい業種ともいえるでしょう。

②食品系

食品工場のライン作業は、パンやサンドイッチ・ケーキ・お菓子などの食品関連の製品を扱っています。

さまざまな種類の食品があるため、ライン作業の仕事を選ぶ上で選択肢が広いことが特徴です。

食品工場は、梱包や検品など細かな作業が多いのも特徴のひとつ。

力仕事は少ないといえるため、力に自信のない方でも働きやすい環境といえるでしょう。

③化粧品系

化粧品系の工場は、化粧品やシャンプー、リンスなどの生活用品などを生産しています。

化粧品の種類によっても、ライン作業での仕事内容は異なりますが、基本的には容器に詰める作業、梱包、シール貼り、検品、箱詰めなどといった作業が一般的です。

どの業種のライン作業でも、最終製品は顧客の元に渡るため、不備などないか入念にチェックしなければいけません。

しかし、化粧品はとくに人の肌などに直接触れるものになるため、より入念なチェックが必要です。

そのため、些細な問題などにも気付ける方におすすめの工場といえるでしょう。

工場の流れ作業の工程

工場の流れ作業の工程は主に次の6つに分けられます。

1.組み立て

2.加工

3.機会オペレーション

4.検品

5.梱包

6.仕分け

この6つの工程について解説していきます。

①組み立て

組み立ては、製品を組み立てるための工程です。

乗り物や家電、機器などの大きなものから、半導体や文房具などの小物までライン作業で組み立てを行います。

ライン作業は大量生産を目的としているため、誰でも簡単に作業できるように細分化されていることが特徴です。

組み立てと聞くと、難しそうなイメージがありますが、流れてきたものを組み立てていくだけのため、特別なスキルや知識がなくてもライン作業での組み立て業務を行えます。

②加工

加工は、材料を手や機械を使って変質、変形させる工程です。

部品加工や機械加工、食品加工などさまざまあり、業務内容の種類が多いことが加工工程の特徴といえます。

たとえば食品加工の場合、ベルトコンベアで流れてくる食材のカット作業などを行います。

スーパーやコンビニで売っているカットフルーツやカット野菜、魚の切り身など、食材を加工しているもののほとんどは工場のライン作業で作られているのです。

③機械オペレーション

機械オペレーションは、機械を操作して製品を加工する工程です。

機械を操作して加工を行う人は、機械オペレーターとも呼ばれています。

機械の操作はもちろん、機械のメンテナンスも行うことがあり、仕事内容は業種や担当するラインによっても変わります。

機械オペレーターは、特殊な機械の操作をすることも多いため、経験者に任せられることが多い工程といえるでしょう。

④検品

検品は、製品の中に不良品がないかを調べる工程です。

梱包や出荷の際に、ミスや不良品がないかをチェックする作業で、製品として規定ラインを満たしているのかを判断します。

検品方法も業態や扱う製品によっても変わりますが、一般的には目視確認で検品することが多いです。

流れてくる製品を目視でしっかりと確認していくため、集中力が求められます。

また、不良品を世に出さないための重要な役割を担う工程ともいえるため、とても重要な工程です。

⑤梱包

梱包は、商品を紙で包装したり、段ボールに詰めたりする工程です。

業種や製品によってあらゆるものを梱包していきます。

難しい作業ではありませんが、正確さとスピードが求められる工程です。

単純作業のため、慣れてしまえばどなたでも行うことができ、ライン作業のなかでもとくに未経験者向きの工程だといえるでしょう。

⑥仕分け

仕分けは、完成した製品の配送先を振り分ける工程です。

渡された作業資料の内容にしたがって製品の振り分けをすればよいため、こちらも未経験者向きの工程だといえます。

積み込み作業もする場合は、体力も求められる工程といえるでしょう。

流れ作業の工場で働く3つのメリット

流れ作業の工場で働くことで得られる、主な3つのメリットは以下のとおりです。

・単純作業なのですぐに慣れる

・人間関係に悩まされにくい

・未経験からでも正社員を目指せる

この3つのメリットについて解説していきます。

①単純作業なのですぐに慣れる

工場でのライン作業の多くは、作業内容が単純で簡単に取り組めるように工夫されています。

マニュアルも完備されているため、仕事を覚えることにもあまり時間がかかりません。

そのため工場でのライン作業は、他の仕事に比べてスムーズに作業内容を覚えることができるため、早い段階で独り立ちして活躍できるでしょう。

また、1度作業を覚えてしまえばその作業を繰り返していくルーティンワークになる場合が多いため、次々新しいことを覚える必要もありません。

作業内容もシンプルでマニュアルも完備されているため、初心者や未経験者の方でも安心して始められるでしょう。

②人間関係に悩まされない

工場でのライン作業は、1人でコツコツと取り組むことが多いため、人間関係の悩みが発生しづらいというメリットもあります。

他の職場でありがちな、面倒な上司に気を使いながら仕事をすることもあまりなければ、同僚や部下とも無理に関わりながら仕事を進めることも少ないです。

仕事とプライベートは完全に分けたい、職場の人と関わるのが苦手、人と話すのが得意ではないのでもくもくと作業したいという人には、とくにおすすめといえるでしょう。

実際、近年では職場の人間関係が原因で退職する方も多いため、人間関係の悩みが発生しづらいというのは、ライン作業の大きなメリットだといえます。

③未経験からでも正社員を目指せる

ライン作業の仕事は職種や業種も幅広いため、多くの工場でライン作業の仕事が募集されています。

採用のハードルもそれほど高くないため、未経験で知識がない状態でも採用してもらえるケースが多いでしょう。

ライン作業員の多くは派遣社員や契約社員、アルバイトなどの雇用形態が多いですが、仕事を続けていくことで正社員登用のチャンスがある職場が多いです。

「未経験でとくにスキルもないし…」と正社員を諦めている人でも、派遣社員などから始めて経験を積むことで正社員を目指せます。

もちろん正社員になるには、正社員登用試験を受けなければいけませんが、未経験の人でも正社員を目指すことができるのはライン作業の大きなメリットだといえます。

流れ作業の工場で働く際の3つの注意点

流れ作業の工場で働く際に考えられる注意点は下記の3つです。

・立ち作業が基本なので体力がいる

・集中力がいる

・スピードになれるまできつく感じることも

この3つについて解説していきます。

①立ち作業が基本なので体力がいる

ライン作業の仕事は、基本的に立ち続けて作業をするため、体力的にきついと感じる方もいるでしょう。

また、扱う製品によっては重い荷物を運んだり、大量の液体を流し込んだりする作業もあれば、ずっと座ったまま作業を行う場合などさまざまです。

どの作業にしても、同じ姿勢のまま長時間働くことが多いため、足腰や首回りなどに負担を感じてしまうこともあります。

体力に自信のある人や、体を動かす仕事がしたい人は問題ありませんが、体力に自信のない人は就業当初は少しきつく感じる可能性があるでしょう。

②集中力がいる

工場の流れ作業では、単純作業の繰り返しになることが多いため、慣れなどからミスをしないように集中力が必要となります。

とくに検品業務などの場合、集中力が途切れてしまい不備のある商品を見落としてしまうと、世の中に不良品を出してしまう可能性もあるため、集中力が求められます。

ライン作業の魅力は、業務内容を覚えやすいことですが、一方で単純作業のため飽きやすいと感じる方もいるでしょう。

単純作業が好きで、1人でコツコツ集中して作業に取り組むことが得意な人は問題ありませんが、飽き性の人は注意が必要です。

③スピードになれるまできつく感じることも

工場の流れ作業では、製品の流れるスピードに合わせて作業をこなさなければならないため、スピード感に慣れるまではきついと感じてしまうことがあります。

スピードについていけないと、ライン作業をテンポよくこなすことができず、ライン全体をストップさせてしまう可能性もあるでしょう。

自分のせいでラインをストップさせてしまうと、罪悪感などから精神面でもきつく感じる方もいると思います。

しかし、慣れないうちはスムーズに作業を行えないのは当たり前です。

続けていくうちにスピードにも慣れていきます。

慣れてしまえば難しい作業ではないため、慣れるまでは少したいへんにかんじるかもしれませんがなんとか耐えきり、その後は問題なく作業を進められるでしょう。

工場のライン作業をうまくこなすコツ2選

最後に、工場のライン作業をうまくこなすコツをご紹介します。

紹介するコツは以下の2つです。

・先輩作業員の動きを真似る

・一つひとつの作業の効率化を図る

この3つについて解説していきます

①先輩作業員の動きを真似る

ライン作業をうまくこなすためには、作業が速い人と自分の動きを比較して、どこが違うのかを考えながらその人の真似をすることがおすすめです。

ライン作業をスピードアップさせるためには、一つひとつの作業に対しての工夫や効率化をしなければいけません。

そのため、作業が速い人はどの工程で時間を短縮しているのかを観察し、真似てみることがポイントです。

もちろん人それぞれにやりやすいやり方があるため、どの方法が自分にあったやり方なのか、どの方法が一番速く作業できるのかを考えながら見つける必要があります。

しかし、その方法を見つけるためにも先輩の作業を見て真似ることは有効ですので、まずは真似ることから実践しましょう。

②一つひとつの作業の効率化を図る

教わったマニュアル通りに作業することも大切ですが、ある程度作業に慣れてきたら、仕事を効率的にこなすための工夫を考えてみることも必要です。

ライン作業には決められたマニュアルがありますが、それが必ずしも自分にあった作業方法だとは限りません。

そのため、自分なりの工夫を考え取り入れていくことで、さらに効率よく作業をこなせる可能性があります。

また、仕事に慣れて来ると、段々と飽きてしまい仕事がつまらないと感じてしまう可能性もあるでしょう。

飽きることを防ぐためにも、作業時間の短縮など自分なりの目標を持ち、効率化を追求していくことが大切です。

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ここまで、工場の流れ作業に興味のある人や、これから仕事を探そうとしている人に向けて、流れ作業の具体的な工程から仕事のメリット・デメリット、注意点やコツまで解説しました。

工場の流れ作業は、単純作業が好きな方や黙々と作業したい方に向いている仕事だといえます。

また、経験や資格がなくても就職することは可能なため、比較的仕事に就きやすい傾向にあり、未経験からでも正社員を目指すことができるのもメリットです。

工場の仕事が気になっている方はぜひ今回の記事を参考に検討してみてください。

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