借り上げ社宅とは?仕組み・メリット・デメリット・社有社宅との違いをわかりやすく解説
2026年01月25日公開 2026年03月10日更新
目次
「借り上げ社宅」という言葉を聞いたことはあっても、「社有社宅との違いは?」「どんな仕組みなの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、借り上げ社宅の仕組み・メリット・デメリット・社有社宅との違いについて、従業員と企業それぞれの視点からわかりやすく解説します。
借り上げ社宅とは?
借り上げ社宅とは、企業が不動産会社や物件オーナーと直接賃貸契約を結んだ物件を、従業員に貸し出す制度(またはその物件)のことです。
仕組みをシンプルに説明すると以下の通りです。
- 企業が外部の賃貸物件を借り上げ、賃貸契約を会社名義で結ぶ
- その物件を従業員に貸し出す
- 家賃の一部を会社が負担し、残りを従業員が給与から天引きで支払う
通常、従業員の自己負担額は実際の家賃の20〜50%程度に設定されることが多く、残りを会社が負担します。そのため、一般賃貸と比べて大幅に安い自己負担額で好立地・好条件の物件に住めるのが特徴です。
なお、従業員名義で賃貸契約を結んで会社が補助する制度は「住宅手当」や「家賃補助」と呼ばれ、借り上げ社宅とは異なる制度です。借り上げ社宅の条件は「会社が賃貸契約の名義人であること」が必須です。
借り上げ社宅と社有社宅の違い
| 比較項目 | 借り上げ社宅 | 社有社宅 |
|---|---|---|
| 物件の所有者 | 不動産会社・オーナー | 会社(企業が所有) |
| 物件の選択肢 | 広い(市場の賃貸物件から選べる) | 会社指定の物件のみ |
| 設備・築年数 | 比較的新しい物件も選べる | 古い物件が多いことも |
| 初期費用 | 会社が負担(原則) | 基本不要 |
| 家賃の安さ | 社有型より高め | 非常に安い(補助率が高い) |
| 維持管理 | 会社は管理不要(オーナーが管理) | 会社が維持・修繕を負担 |
大きな違いは「物件の選択肢の広さ」と「家賃の安さ」のバランスです。借り上げ社宅は立地・間取りの選択肢が広い分、社有社宅ほど家賃が安くならないケースもあります。一方、社有社宅は会社が所有するため物件の選択肢はほぼなく、設備が古いことも多いですが、家賃補助の割合が大きい傾向があります。
借り上げ社宅のメリット(従業員側)
自己負担家賃が安い
借り上げ社宅の最大のメリットは、一般賃貸に比べて自己負担の家賃が大幅に安いことです。会社が家賃の50〜80%程度を負担するため、同じ条件の物件に一般賃貸として住む場合に比べて、毎月数万円の節約になります。
初期費用がかからない
一般賃貸では敷金・礼金・仲介手数料・保証料など、家賃の3〜5ヶ月分の初期費用がかかります。借り上げ社宅では、これらの費用を会社が負担するため、初期費用ほぼゼロで入居できるのが一般的です。
物件の選択肢が広い
社有社宅と異なり、借り上げ社宅は一般の賃貸市場から物件を選べるため、立地・築年数・間取りなどの選択肢が豊富です。会社によっては、ある程度の範囲内で自分で物件を選べるケースもあります。
入居審査が不要
通常の賃貸では個人の収入・信用情報による入居審査があります。借り上げ社宅では会社が契約主体となるため、個人の審査が不要です。過去に審査に落ちた経験がある方や、信用情報に不安がある方にとって大きなメリットです。
節税効果がある
適切な条件を満たせば、会社が負担する家賃分は給与として扱われません。そのため、同額の住宅手当として支給される場合と比べて、所得税・住民税・社会保険料が低く抑えられ、実質的な手取り収入が増える効果があります。
借り上げ社宅のメリット(企業側)
採用・定着率への貢献
住宅補助は求職者にとって重要な福利厚生です。借り上げ社宅制度を整えることで採用競争力が高まり、特に地方から採用したい場合や、転勤が多い業種では定着率の向上につながります。
節税効果
企業が支払う家賃は「地代家賃」として全額経費計上できます。住宅手当として支給する場合は給与扱いとなり、社会保険料の負担が増えますが、借り上げ社宅では社会保険料の増加なしに住宅支援ができます。
借り上げ社宅のデメリット
退職すると退去が必要
借り上げ社宅は雇用とセットの福利厚生のため、退職すると通常1〜3ヶ月以内に退去しなければなりません。「仕事を辞めたいが家もなくなる」という状況になるため、転職の際の心理的ハードルが上がることがあります。
物件選択に制限がある場合も
会社によっては、借り上げ社宅として使える物件の条件(家賃上限・エリア・間取り)が細かく決められており、実際の選択肢が思ったより少ない場合があります。
同棲・彼女(彼氏)との同居は制限されやすい
多くの企業では、借り上げ社宅は従業員本人(および扶養家族)の居住を前提としているため、未婚のパートナーとの同居は認められないことが多いです。結婚を前提とした場合に例外的に認める会社もありますが、事前の確認が必要です。
社会保障が減る可能性がある
節税効果の裏返しとして、課税所得が下がることで将来の年金受給額・失業給付・各種保険給付が減る可能性があります。長期的な老後設計を考えた場合は注意が必要です。
借り上げ社宅と住宅手当はどちらが得?
「借り上げ社宅」と「住宅手当(同額を給与として支給)」を比較すると、手取り収入の観点では一般的に借り上げ社宅の方が有利です。住宅手当は給与として支給されるため、所得税・住民税・社会保険料の計算対象になります。一方、借り上げ社宅の家賃補助部分は適切な条件を満たせば課税されません。
ただし、老後の年金受給額や失業給付額に影響が出る可能性があるため、単純にどちらが「得」とは言い切れない部分もあります。自分の状況・将来設計に合わせて検討しましょう。
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まとめ
借り上げ社宅とは、企業が賃貸物件を借り上げて従業員に転貸する制度です。自己負担の家賃が安い・初期費用不要・入居審査なし・節税効果など、従業員にとってのメリットが多い制度です。
一方で、退職時の退去義務・同棲制限・社会保障への影響などのデメリットも把握しておくことが重要です。特に求人に応募する際は、借り上げ社宅の条件・ルールを事前に確認し、自分のライフスタイルと合うかどうかを判断した上で決めることをおすすめします。
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